社長のためのスピーチトレーニング 正しいマイクの持ち方

正しいマイクの持ち方

いまやカラオケで歌わない人はいないほどですから、誰もがマイクを握りしめた経験はあるはず。
ところが、このマイクの持ち方ひとつに持つ人の人格が表れてしまうから要注意。
とくにスピーチプレゼンの場においては、マイクの持ち方ひとつで「話し方」や「話し手のイメージ」まで変わってきてしまうのです。
どんな持ち方がいいのか。
それを説明する前にマイクの構造を説明しておく必要があります。
簡単にいえば、マイクには声を拾ってくれる丸い「頭部」と、その下の棒状の「胴体部」に分かれています。それだけのことですが、さて……。

  • 「ロック持ち」……たいていのロック歌手はこういう持ち方をしています。マイクの頭部の下ギリギリ、つまり胴体部の最上部まで、あるいは頭部を覆うように握りしめる持ち方です。まさにロッカーのように熱く話すことを誘発する持ち方ですが、さてビジネスの場ではどうでしょう。ビジネスでは、まず聞き手は話し手から「信頼」や「安心感」を求めるものですから、この持ち方では話し手のテンションが少々高すぎる印象を与えてしまうかもしれません。
  • 「ぶりっこ持ち」……荒々しさの代表格がロック持ちなら、一方、たおやかさや弱々しさを表現する持ち方がこれ。マイクを両手で大事そうに持ち「ワタシはマイク一本持てないわ」という今時あり得ない弱々しさを表現します。どこか未熟で危うい印象をかもし出すにはうってつけの持ち方といえるでしょう。私はこれを別名「お願い持ち」とも呼んでいますが、懇願調のスピーチをするときには熱意が伝わるかもしれません。ただ、スピーチのシーンでは、話し手の「緊張しています」「どうしよう……」「うまく話せるだろうか」という気持ちの不安定さが伝わってしまうので、リーダーシップを取る立場の方には御法度の持ち方です。

それではどこをどのように持てばいいのか。

  • 「学者持ち」……まずマイクの胴体部を真っ直ぐにして、その中央部かまたは中央部から1センチ~2センチ下を片手でしっかりと持つ。この持ち方は、日頃、大学の教室や学会などでご自分の研究を発表することに慣れている教授や学者がやっている持ち方です。あたかも自分の鼻の延長かというようなイメージで、マイクの位置を顔の中心からやや下に置きます。あくまで力まず自然な感じで持てばいいでしょう。これは、マイク本来の作りに対応した持ち方なのです。
    また、マイクの頭部は、口から握り拳一個分くらい離すと、どんなマイクでもうまく音を拾ってくれます。
    さらにこの距離はマイクが口元を隠さないので、写真を撮られたときもじつに写真うつりがいいのです。
    とにかくこの「学者持ち」は上品で、なにより話し手の自信とインテリジェンスを引き立ててくれるでしょう。

いずれも、これらの「持ち方」の呼称は私がそう呼んでいるだけのことですが、さらに、マイクの使い方にはいろいろな“禁止事項”があります。
まず、マイクの胴体部を持ったとしても、それを真横にしたり、あるいは胴体部を頭部より上にしてしまうと「ロック持ち」以上、一気に「前衛持ち」になってしまいます。
最近はあまり見かけなくなりましたが、マイクを持つ手の小指を立てる人。
女性でも男性でもこれはいただけません。
また、あまりマイクに口を近づけて話すと、唾がマイクについて不衛生。
後からそのマイクを使う他の話し手に失礼というものです。
このようにマイクの持ち方ひとつで、自動車の運転と同じようにその人の隠れた本性が出てきてしまうものです。
ここまでお話したのはハンドマイクの持ち方ですが、最後にマイクの種類をいくつか紹介しておきましょう。

  • 卓上マイク……机や演台に置いてあるもの。
  • ピンマイク……服に止めて使う。腰のあたりにちいさな機械を取り付ける。
  • スタンドマイク……ステージで立って話すときに使う。スタンドから外してハンド

マイクとして使う場合もある。
人前で上手に話そうと思うなら、小道具であるマイクを上手に使いこなすこともたいせつなことです。