社長のためのスピーチトレーニング 口癖を直す

口癖を直す

誰にでもあるのが癖――。たとえば恥ずかしいときに、つい頭に手をやったり、鼻の頭をポリポリしたり。
でも、これが口癖となると、スピーチプレゼンではなかなか厄介なものになってしまいます。
とくに30代くらいまでの若い人に多いのが、話を始める前に必ず「はい」をつけること。

「はい、それではみなさん、これから始めます!」

「はい、それではですね、次にですね……」

話すきっかけを作るつもりなのか、勢いをつけるつもりなのか、あるいは周りからの同意を得たいという心理なのかもしれません。テレビ番組などでも、司会のタレントさんがこういう入り方をするのを聞くことがありますから、それが原因しているのかもしれません。
悪い口癖とはいいませんが、あまり回数が多いと聞き手の耳につくので気をつけるべきでしょう。
なぜなら、このような口癖をつけてしまうと、コミュニケーションのノイズになるだけでなくこれなしには話し始められなくなってしまうからです。
そして、無意識にいつでも「はい」をいってしまうようになります。
たしかに「はい」で始まると、いかにも元気で勢いがあるように感じられるのですが、ちょっと軽い感じにもなってしまいます。
また怖いのは、こういう口癖は知らず知らずのうちに、話し手の「伝えよう」というパワーを削ぎ落としているのです。だから、敢えていわないようにすることで、逆にパワーが生まれるのです。
「はい」だけではありません。話し始めの前に「いや~」「あの~」「う~ん」などをつける人もいます。
これらは一種のうなりのようなもので、正体は「吐く息」です。人間は呼吸をしていますから、話す言葉が見つからないと、吐く息とともにうなりが出てしまうというわけです。

私はこれらを「言葉のヒゲ」と呼んでいます。

ヒげは剃らなければなりません。
では、どうやって剃るか。

  • まず、自覚する……スピーチを録音して、うなっている自分を自覚する。
  • 次に、改善する……うなりが出そうになったら、ぐっと飲み込む。センテンスを短

くして、語尾も言い切りにする。

  • それでも直らない場合……スピーチの練習を誰かに聞いてもらいうなりが出たら合図してもらう。

うなっている分、大事な「呼吸」と「話すパワー」を無駄遣いしているわけですから、うなりを止めれば「うなり」が「話すエネルギー」に変換され、間違いなく話しぶりが上がります。
どんな癖でも、癖を直すというのは最初はとても辛いものです。
とくに口癖となると意識するあまり話せなくなってしまうこともありますが、しっかりとした腹式呼吸をマスターし落ちついた呼吸法を身につければ、確実に直ります。