社長のためのスピーチトレーニング 目線の使い方

目線の使い方

人と会ったときのコミュニケーションでたいせつなのが目線=アイコンタクトです。
「目は心の窓」「目は口ほどにものを言い」などというように、目線にはその人の心が現れるからです。
目線は、その向け方と時間によって受け取られる意味が違ってきます。
一般的には、見ず知らずの人をジッと見るのは失礼にあたりますし、ときには相手に恐怖感や不安感、不信感を抱かせることにもつながります。
また、相手の目を長い時間見つめるのは、敵意や攻撃、支配を表すともいわれています。
よく「相手の目を見て話なさい」といいますが、向き合って話をする場合、相手の目をジッと見るのも考えもの。かといって目線が落ちつかなく漂っていては「心ここにあらず」。
話を聞いていないと思われてしまいます。
もっともいい方法は、ときどき相手の口元や額などに目線を移すこと。
数十秒に一回くらいは相手の目線をそらしても大丈夫。
これなら相手の顔から目線をはずすこともなく失礼にもなりません。目を合わせている時間は、対面している時間全体の50パーセントくらいが最適といわれています。
また、相手に親近感や好意を抱いていることを伝えたいのなら、無表情に相手を見るのではなく、優しい微笑みや柔らかい表情をつくりながら、ときどき相手の目をのぞきこむようにするといいでしょう。
これとは逆に、相手の目線から急に自分の目線をそらしたり、長い時間相手の目線を受け止めないでいると、これは退屈とか無関心と捉えられてしまいます。
スピーチにおいて、私は目線の使い方を三つの種類に分けています。
それぞれいつ使うか、その方法と効果も記しておきます。

 ①8の字目線……常時使う。話しながら非常にゆっくりと顔を動かし、会場全体に8の字を描くようにする。

   会場を見渡しつつも、話し手の一人一人を見ているようで、会場全体を包み込むような雰囲気が出るでし
ょう。

 キメ目線……強調したい言葉を発したら、一瞬、呼吸を止め一か所を数秒見つめる。

        相手にぐっと感情が突き刺さり、話し手がまるで身近にいるような感じになります。

 ③神様目線……ビジョンや夢、希望を語るときはステージ中央で正面を向き、自分の目の高さより少し上を
見る。

        話し手の考え方の大きさや深さが伝わります。

 また、目線に関係して「眉」があります。
意外に思われるかもしれませんが、ほとんどの人は話すときに自分の眉がときどき上に動いていることに気づいていません。
ところが、眉を上げないようにするだけで言葉が強くなり、話がすっきりし、声が落ちつくなどの変化が起きるのです。
なぜなのでしょうか。
それは、眉が上がることは目線と関係しているからです。
人は「ここを強調したい」と思うと、自然に目を見開きますから眉も当然上がります。
でも、これって動物でいえばお猿さんが目と歯を剥き出しにする「威嚇行動」と同じことなのです。
これでは聞き手にあまりいい印象を与えません。これが癖になってしまうと、話すときに眉を上げなければ話せなくなり、余計なパワーを使ってしまうことにもなります。

このことを矯正するには、鏡を見ながらやビデオに撮るなどしてトレーニングするといいでしょう。