社長のためのスピーチトレーニング 顔の使い方

顔の見せ方

 

聞き手はステージに立ってスピーチをする人のどこを見ているのでしょうか。
もちろん「顔」です。
だから、自分の話をきちんと伝えたいと思うなら、まずは自分の在り方が大事です。
そのためには聞き手がもっとも集中的に見ている「顔」を意識しないわけにはいかないのです。
でも「顔」は、単なる顔部分ではありません。スーツの胸あたり、つまり“Vゾーン”から上を「顔」と考えてください。
さらに、顔の中心はどこでしょう。そう「鼻」です。鏡で自分の顔を意識して見てください。
鼻に意識を集中すると、自分の顔の「佇まい」がしっかりと明確になってきます。
そして、ステージに立っているときのことを想像するのです。
会場にいる聞き手を見るとき、目で見るのではなく、見る方向に「鼻を向ける」のです。
ただ、「鼻持ちならない」「鼻が高い」「鼻をへし折る」などの言葉があるように、鼻は人間のプライドとも関係のある部分なのでしょう。ですから「鼻で見る」のをやりすぎると逆効果。傲慢な印象を与えかねません。
しかし、それでも「鼻」を意識することは、その人の存在感をぐっと強めることになるのです。
鼻を意識できたら「顔」に自信が持てるようになります。顔は“Vゾーン”ですから、次に全身を聞き手に見せるようにします。ステージのスピーチ台の上に原稿を広げていると聞き手からは上半身しか見えません。
ときには原稿から離れてステージの上に自分をさらす。
そんな勇気を持ってほしいものです。
ところが、スピーチの場ではときに話し手の「顔」が見えないときがあります。
それはパワーポイントを使ってプレゼンするとき。
パワーポイントを使うときは照明を落としますから会場は暗くなる。
劇場のようにしっかりしたステージのあるような場所の場合は、パワーポイントを写しながら話し手の姿も照明で明るくできるのですが、社内の会議室などではうまくいきません。
だからといって話し手の顔が見えないのでは困ります。
スクリーンの位置や話し手の立ち位置を工夫するなどして話し手の顔を見えるようにしてください。
なぜなら、聞き手は話し手の顔を見て聞いているからです。
パワーポイントは所詮、補助ツールにしかすぎず、主役はあくまでも話し手なのです。
話し手の顔が見えないと、聞き手はパワポばかりを見ることになってしまいます。
このように話し手の「全身」を見せることは、聞き手に三つの「感」を与えます。

  • 全身を見せられる自信=聞き手にとっての「安心感」。
  • ステージの後ろに構えない=物理的・心理的に縮まる「距離感」。
  • 全身で動く=表現が生き生きと伝わる「躍動感」。

 コツは簡単です。

  • 姿勢を良くして、深い呼吸をする。
  • 何があっても笑顔で堂々とする。
  • 頭の先から爪先まで、身だしなみを整える。

鏡の前で実践してみてください。
男性は普段、髪を整えたりヒゲを剃ったりするくらいしか鏡を見ないものですが、スピーチにおいては、常に全身が見られる大きな鏡で自分の姿を確認しておくことがとてもたいせつなことなのです。